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長いタイトルの短いストーリー 2016-11-30

作家の村上春樹がデンマークで行なわれたアンデルセン文学賞の授賞式に出席したことを、11月21日付けの朝日新聞が報じています。同地の図書館でイベントがありましたが、そこで村上が、
「僕は自分の小説を読み返しません。読むと恥ずかしくなるし、今ならもっとうまく書けるはず、と思ってしまうから。でもこの話はよく読み返します」
という前置きのあとで朗読したのは「四月のある晴れた日に100パーセントの女の子に出会うことについて」でした。

村上は、短篇集『カンガルー日和』(b/913.6/Mu431k)収録のこの作品から、のちのベストセラー『1Q84』が生まれたことを、2011年10月に受けた”New York Times”紙のインタビューの中で明かしています。記事は、『1Q84』を”This giant book”、英語版では5ページの「四月のある晴れた日に100パーセントの女の子に出会うことについて」を”the tiniest of seeds”と紹介して、村上の言葉を引用する。

"Basically, it’s the same," he told me. "A boy meets a girl. They have separated and are looking for each other. It's a simple story. I just made it long."

日本語でも8ページの短い物語は11分の映画になりました。山川直人監督の『100%の女の子』です。ロケ場所は青学のそばの煉瓦塀の前だったとのこと。主演女優の室井滋は、同じ山川監督の『パン屋襲撃』にも出演しています。こちらは、西武新宿線の野方駅前に実際にあったパン屋が舞台です。2本の映画をカップリングしたDVDの付録ブックレットによれば、惜しくもパン屋はゲーセンになってしまったそうですが、もっと残念なことに、画面に大きく映し出される店名は「アンデルセン」ではなかった。
(M)

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