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ランキングとは? (2004年5月15日)

朝日新聞社の刊行する『大学ランキング』が今年も店頭に並んだ。この本の図書館ランキングの部でICU図書館は常にトップランクを維持しており、1995年以来(不明だった2001年を除いて)1位が3回、2位が3回、3位が2回、6位が1回である。今年は4位だった。

1位は京都大学、2位は一橋大学、3位は天理大学となっている。なるほど、名の通った有名大学ばかりである。学生規模3,000人クラスのICUの図書館が、これらの大学図書館の後塵を拝しても4位なら上出来と思われるかもしれない。しかし読者の皆さんには、このランキングを決めるのに何を基準にしているのかを見て、ランキングの妥当性について一緒に考えていただきたい。

指数評価の根拠として明らかにされているのは「電子ジャーナルの有無」と学生一人あたりの「図書費」「受入冊数」「蔵書数」「貸出冊数」である。これら5つの基準のうち「図書費」「受入冊数」「蔵書数」の3つは関連が高い。高いというより、図書費が多ければ必然的に受入は増え、蔵書も多くなる。したがって、これら3つの全てを基準として採用する意味は薄い。どれか1つでよいのではないか。確かに図書館の蔵書数は多ければ多いほど良いのは事実。しかし、一体それら膨大な量の図書館資料が実際に利用されているのかどうかを吟味する事が大切であろう。図書館も使われなければただの文書保存庫に過ぎない。

ICU図書館の評価をここまで上げているのは「貸出冊数」の多さである。利用の多さがこの図書館の生命線なのである。ICUの10倍の蔵書を誇る京大の貸出冊数の平均は学生一人あたり年間18冊、2位の一橋は25.5冊、3位の天理の3.6冊。これに比べると、ICUの72.9冊は群を抜いている。 また、『日本の図書館 統計と名簿 2003』(日本図書館教会 2004)によれば、入館者数は蔵書数10倍の京大はICUの2.7倍、ICUの4倍の一橋大は1.2倍、3倍の天理大は0.25倍にすぎない。

結局今回のランキングは図書館がいかに利用者の役に立っているか(愛されているのか?)のパフォーマンスではなく、どれだけの「含み資産」を持っているのかのポテンシャルを測っているという事であろう。ランキングというのは切り口によって、いかようにも変化するのだから、あまり目くじらを立てる筋合いのものではないのかも知れない。しかしこの場合、ランキングを発表するという行為は、マスメディアを通じて広く大学や図書館の優劣を結果として印象付ける事である。そのような重大な責任を負った仕事としては疑問があると言わざるを得ない。

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