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ヒマラヤ杉(ヒマラヤスギ)(2016年7月8日)

◆ 針葉樹、キターッ。針葉樹のトップバッターはヒマラヤスギです。ヒマラヤン・シダーです。「ヒマラヤ杉、平山杉、冷ラマ杉」っていう早口言葉があるとかないとか。ないですか。そうですか。とにかくヒマラヤからやってきた杉でしょ、と思っている人が多い思うけど、それは半分正しく半分マチガイ。ヒマラヤ原産であるのは正解。しかしてなんと、この木はスギではなく、まごうことなきマツ科です。じゃあ、ヒマラヤマツなんじゃん。でも言いにくいよ。「ヒマラヤ松、平山松、冷ラマ松」こっ、これは難しい… だからスギになっちゃったんだな、きっと(←調べたところヒマラヤマツの名はすでに他の植物につけられているとのこと。残念でした)。

◆ そんなことはさておき、今日はヒラヤマスギ。もといっ。ヒ・マ・ラ・ヤ、スギだよ。国内に自生樹はありませんのです。ヒマラヤ、ネパール、カシミール地方に自生しています。そうモノノホンに書いてある。それじゃというのでGoogleMapでネパールやカシミール地方の写真を見るのだが、これという木が見つからない。本当にヒマラヤにあるのか、ちょっと怪しくなってきたなあ。と、思ったところで発見!GoogleMap インド、ウッタラーカンド州、ラニケト、チリヤノーラ(GoogoleMapって可笑しいね。兄弟2人と思うんだけど2回写って4人になっちゃってるし、右にいるおじさんは頭だけ…) ホテルのすぐ近くに生えてるから、これも自生じゃなくて植樹なのでしょうか。日本には明治初期にやってきたとの事で、今では公園の定番樹木として多用されています。新宿御苑にある古木が最初期に植えられたものといわれていて有名です。ICUでは外周道路沿いの西側から北側(シーベリーチャペル裏からICU高校近く)と、本館の北側に比較的大きなヒマラヤスギの並木が見られます。

◆ ヒマラヤスギの林に踏み入ると分かるんだけど、もうこのように落葉の絨毯というより布団になってしまってやがります。あれっ、こんなに葉が落ちるなんて、ヒマラヤスギって常緑樹ではなかったですか? ホラ、ICUの一般入試で本館北側の教室が考査室になった方なら、2月初旬の窓の外に青々と茂っていたヒマラヤスギを覚えてますよね。覚えていない。おやおや。 とにかく冬になっても葉が落ちないのは常緑樹って学校で習ったような気がします。モミジやサクラやイチョウは落葉樹だから秋になったら葉が落ちるけど、マツやスギやツバキは常緑樹だから冬の間も葉が落ちないって。んー。しかしよーく考えてみたらさあ、常緑樹とはいえ、一回生えた葉っぱが、その木が寿命を迎えるまでずっとそのままついているとは思えないよね… そのとおり。「モチロン」落ちるんですよ。常緑樹だって落葉するんです。ただ、落葉樹のように毎年秋にどっと落葉して冬の間中丸裸でいるのではなく、新しい葉っぱの準備が出来次第ササッと生え変わるか、おのおのの葉っぱが1年~数年サイクル(長いものは10年?)で生え変わっているせいで樹木全体としていつも青々茂っているのです。そしてヒマラヤスギは木材としてもなかなか優良で、大型のテーブルほか立派な家具に変身した人も多いようです。レバノン国旗に描かれていることで有名なレバノンスギさんは兄弟分にあたるのですが、ヒマラヤの高地ではなく人間文明の発祥地近くに居を構えてしまったために大型建造物の材料としてことごとく伐採されてしまい、今では絶滅危惧種になってしまいました。レバノンのカディーシャ渓谷という場所に数百本が平家の落人のようにひっそりと暮らしています。いけませんなあ、人類。

◆ もうひとつ、ヒマラヤスギを語る上では欠かせない、薔薇の話。ヒマラヤスギから薔薇が採れます。えっ? そんな花が咲くの? むっふっふ… 手芸ファンなら知っている、あの薔薇です。つまり松ぼっくり(スギだからスギボックリ… いやマツ科なんだから松ぼっくりでいいのか)です。ヒマラヤスギの松ぼっくりはよくある赤松や黒松のものよりも立派で大きいんだけど、丸ごと形のまま落ちてくることはないんだね。枝についている頃からだと思うんだけど、開いたあと周りのほうからバラバラ壊れてしまい、残った天辺の部分だけが根本に落ちる。この部分が薔薇の花ソックリなんですよ。左の写真をクリックしてビフォーアフターを見んちゃい。

◆ 最後にひとつ、いいことを教えるよ。もし木の下で雨宿りするときはヒマラヤスギが最適です。え、そうなの? 広葉樹の方が葉っぱが広いから雨を避けるのに適してるんじゃないの? と、お思いでしょう。ちっちっちっ。広葉樹の場合はね、雨を受けた広い葉っぱは水を集めて葉先から次の葉っぱへとしずくをたらすんだよね。で、そうやって連鎖した結果、大粒の水滴がボタボタと地面へと落ちてくるのよ。これに対し、細かく短くて密に茂るヒマラヤスギの葉は水滴の大きさを分散させるから、なかなか枝の下の方まで水が落ちてこないんだよ。これホント。ククノッチの観察の結果昨年何回かあったゲリラ豪雨で、広葉樹の下は水びたしになっているのに、ヒマラヤスギの根本の地面が濡れるまでには相当の時間を要してたもんね。しかし雨が降ったときにそんなに都合よく近くにヒマラヤスギが生えていないって? それもそうだ、ははは。ただし、雷が聞こえたときには木の下は危険。濡れるの覚悟でさっさと建物や車の中に避難してくださいよ。そんじゃまたっ!

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